わが国における外国人研修生の受け入れの歴史は、今から40年ほど前の1960年代後半まで遡ります。その頃わが国は、多くの大企業が海外進出に盛んな時代でありました。
外国人研修制度は、発展途上国の多くが、母国の経済発展と産業発展に貢献しようという目的から、特にその担い手となる人材に、先進国の進歩した技術・技能や知識を修得させようとする要求があり、これに応えるために外国人研修制度が確立されました。外国人研修生は、外国人の誰もが研修生になれるわけではありません。外国人研修生になるためには、年齢は18歳以上、研修修了後は日本で修得した技術、技能等を生かし、母国の産業発展に貢献しようという目的で職種に就くことが予定されていることなどが必要です。
また、外国人研修制度とは海外からの労働者を日本国内の企業や団体が外国人を研修生として受け入れ、技術、技能、知識を修得させることを支援するとともに各国の経済発展を担う人材育成に協力することを目的とした制度です。わが国の国際協力・国際貢献の重要な一つの役割とされています。研修期間は原則として1年間となっています。しかし研修の成果が一定基準を超えるならば、さらに2年間の技能実習に従事することも可能です。ただし職種は限られています。
外国人研修生が技能実習を実施できる職種・作業については、職業能力開発促進法に基づく技能検定の対象職種、又は財団法人国際研修協力機構(JITCO)が認定した技能評価システムによる職種で、現在62職種(112作業)が定められています。このうち、国の技能検定による評価システムが51職種79作業、JITCO認定による評価システムが11職種33作業あり、農業、建設業、製造業等の産業分野に及んでいます。
研修制度によって技能を修得し、公的評価制度(研修成果・技能実習計画・在留状況等)によって一定水準以上に達した人を対象に研修終了後、在留資格が特定活動(法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動が可能)に変更されます。つまり、研修生から技能実習生に移行するということであります。
ただし、実習は研修制度を受けた同一企業において雇用関係の下で、研修で修得した技能の習熟度を高めるためにさらに実習するものです。研修実施先の企業と雇用契約を結び、賃金を受けとることができるようになりますし、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法などの労働関係法令などが適用されるため、時間外労働も可能となります。実習期間につきましては、通常2〜3年(職業・作業によっては最長2年の場合もあります。)となっています。
また、通常の労働者と相違する点としまして原則的に転職や家族帯同も認められていません。しかし、一時帰国などの場合は所定手続きをとれば可能です。そのほかには技能実習計画で到達すべき技能水準が定められています。
現在、わが国においても外国人研修制度が定着されたことにより外国人研修生の受け入れ数は、年間約5万人以上となっており、一昔前と比較しても数十倍の規模で増加しています。
また、研修生の受け入れ形態については、団体による受け入れが急増しており、産業・業種別では製造業が圧倒的に多く、全体の7割以上の数を占めています。今や外国人研修生は、日本の企業などで日本の進んだ技術・技能・知識を修得し、受け入れ企業は、企業の国際化や海外進出・生産性向上・社員の意識改革などのメリットがある双方にとって有益なものであるとされています。
わが国では外国人研修生を労働力(人手不足の解消など)として受け入れるのではなくて、日本で習得して,母国の経済発展に役立ててもらうことを第1の目的としています。そして今まで多くの外国人研修生を受け入れてきたことにより、就労環境や労働条件の改善も見直されてきています。
外国人研修は出入国管理及び難民認定法で「本邦の公私の機関により受け入れられて行う技術、技能又は知識を修得する活動」と定めており、外国人研修受け入れには非実務研修型と実務研修型に大きくニ分類されます。
非実務研修型とは、実務以外の研修のことで、たとえば日本語および日本の文化・生活習慣などの他に実務研修に必要な技術等の基本原理、技術等の研修、安全衛生教育を行う研修のことです。
一方、実務研修型とは実際の仕事に従事しながら技術、技能、知識を修得する研修です。ただし、仕事に従事するからといってもあくまでも技術、技能を修得するためのものであるため賃金を受け取ることができません。
また、実務研修型には、わが国の企業が海外の子会社・関連会社など現地国の現地法人・合弁企業の常勤職員として研修生を受け入れる企業受け入れ型と商工会議所や財団法人等が、公的援助・指導を受けて受け入れ責任を持ち、その指導、監督のもとで傘下企業に研修生を受け入れる団体受け入れ型があります。
外国人研修生を受け入れ側の企業、団体は、あくまでも研修が目的でありますから労働関係法令は適用されませんが、法務省令で一定の条件を満たすことが必要となっています。
また、研修生受け入れ人数枠は、受け入れ企業の常勤職員数に対して受け入れ可能研修人数も決められています。原則として、受け入れ企業の常勤職員20名に対して研修生1名の割合で受け入れが可能です。ただし、中小企業等においては、受け入れ可能人員の枠も若干緩和されています。