近年になって急増しているがんの一つに乳がんがあげられます。特に日本女性のがん患者の中で、乳がんは第3位になっており、昨年は約4万人が乳がんにかかったと推定されています。乳がん年齢といわれる30代以降の女性は、乳がんにかかる可能性が高くなっていますので、乳がんの症状には注意が必要なのです。
乳がんは、内臓にできるがんとは違って、体の表面近くにできるため、注意していれば自分でその変化に気づくことができます。全てのがんにいえる事なのですが、がんの早期発見はその後の治療に大きく影響し、治癒率を劇的にあげることができます。乳がんは、早期発見の可能性の高いがんの一つといえるのです。
乳がんの症状の大きな特徴は、乳房のしこりです。乳がんができて5ミリ〜1センチ位の大きさになると、触ってみるとわかるほどの「しこり」となります。乳がんの初期症状による発見のきっかけの90%は、この「しこり」によるものです。普段から自分の乳房を触って見て、しこりがないかチェックすることが大切です。しこりがあるからといって、すべてが乳がんとは限りません。乳腺症や乳腺腺維腺種といった良性の疾患の場合もあります。しこりに気づいたら、すぐに専門医の診察を受けましょう。
また、乳房に不自然なへこみやえくぼができることがあります。これは、乳がんが乳房の皮膚近くまで達した時の乳がんの症状です。乳がんが乳腺の外に広がって乳房提靱帯に及ぶと、その部分の皮膚が萎縮しておこる症状です。しこりのまわりの皮膚を押すとその部分がへこんでえくぼのように見えるので、すぐに判断することができます。
| 気になる女性に使われている検査用品など。 | |
|---|---|
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乳房の変化は他にもあります。皮膚の色が黄色くなったり、毛穴が目立つようになります。乳がんのために、リンパ管が部分的に詰まり、そこに溜まったリンパ液のために皮膚が盛り上がり毛穴がふさがれる為です。皮膚の微小血管もふさがるので、赤みを帯びた皮膚になったりします。
授乳期間に関係のない時期の、乳頭の痛みのないただれや湿疹なども乳がんの症状といえます。授乳時期でもないのに、乳頭からクリーム状や透き通った液体が出たりしていたら、すぐに専門医の診察を受けましょう。
この様に、乳がんの症状はいろいろとありますが、日頃から自分の乳房の状態を知っておくことが最も重要です。乳がんの症状は、ひとによって様々です。自分の体のことを一番知っているのは、誰よりも自分自身です。乳がん年齢になったら、定期健診と自己診断をこころがけ、もし乳がんになっても早期発見できるようにしましょう。乳がんは、早期発見すれば、ほぼ完治することの出来るがんです。乳がんの症状に気づいたら、迷わずに専門医の診断を受けましょう。
乳がんとは、乳房の中にある乳腺と言う乳汁を出す器官にできる、悪性の腫瘍のことです。乳腺は、小葉という組織と乳管という管から成り立っています。小葉と乳管は腺葉というブドウの房のような単位を作ってひとつの腺葉から1本の主乳管が乳頭に開口しています。このような腺葉が15〜20個集まって一つの乳腺となっており、乳頭を中心として扇状に分布しているのです。乳がんのほとんどが、この乳管の壁から発生します。
乳がんの原因ははっきりと解明されていないものの、女性特有のホルモン、エストロゲンの分泌と関連があると言われています。初潮年齢の低年齢化、未婚の女性の増加、出産をしないライフスタイル、高齢出産などがエストロゲンの分泌を促しているとも言われています。近年の日本女性の乳がん患者の増加の大きな要因と考えられます
乳がんは、初期症状がほとんどないがんなので、発見が遅れてしまうケースが多いようです。乳がん年齢といわれる30代をすぎたら、積極的に乳がん検診を受けましょう。乳がんは、初期の内に発見すれはほぼ完治することができるがんです。初期のうちなら、転移する可能性も低いので、早期治療が可能なのです。また、自己診断で発見することも出来るので、日頃から乳房の変化に注意しておきましょう。乳がんの大きな特徴である乳房のしこりに気づいたら、すぐに専門医の診察を受けましょう。
もし、乳がんを放っておくと、他の臓器に転移してしまうリスクも大きくなります。そうなっては遅いのです。乳がんを怖がることはないのです。怖いのはそれに気づかないことなのです。
乳がんには、非浸潤がん、浸潤がん、パジェット病の三つの種類があります。他にも特殊型と呼ばれるものもありますが、割合としてはごく僅かです。しこりが出来る症状から気づく乳がんのほとんどは、浸潤がんです。しこりに触れないほどの初期の乳がんは、非浸潤がんとも言われ転移を起こしません。この段階で発見できると、乳がんの完治率は飛躍的に上がります。現在の乳がん検査で使用されるマンモグラフィによって、初期の段階での乳がんが発見できるようになりました。パジェット病は、しこりの出来ない初期の乳がんで、乳頭のびらんなどで発見される場合があります。乳がんのうちでも稀なケースといえます。
しこりによって発見される乳がんである浸潤がんは、乳管の中で増えたがん細胞が周囲の組織との境である基底膜を破壊して広がっていきます。がん細胞は、脇の下のリンパ節に転移し血液やリンパ液の流れに乗って、全身の臓器に転移していきます。これを遠隔転移といいます。遠隔転移を認めると、残念ながら延命の可能性は低くなってしまいます。転移の臓器によっては、手術も出来ない場合もあるのです。
乳がんは、手術によってがん細胞を全て取り除いた場合でも、5年や10年経過したあとから再発するのが大きな特徴です。その為、手術後の経過観察がとても重要となります。再発予防の為に、補助的な治療の薬物療法などを受ける必要があります。精神的にも肉体的にも負担となるかもしれませんが、担当医と相談しながら根気よく治療していくことが大切です。
乳がんは、乳房のしこりによって発見されることがほとんどですが、しこりがあるからといって全てが乳がんとは限りません。乳がんと間違えやすい病気もあるのです。
乳がんの症状と同じように、乳房にしこりができるのが乳腺症です。この場合は、乳がんと違って良性の腫瘍です。乳腺異形成、乳腺炎などの乳腺の変化を総称して、乳腺症と呼びます。乳腺症は健康な乳房にも良く見られる症状です。原因は、乳がんと同じではっきりとは解明されていませんが、やはり女性ホルモンであるエストロゲンにあると考えられています。30代以降の女性に多くみられ、この点でも乳がんとよく似ています。症状としては、乳房の可動性のしこりや、鈍痛、激痛、圧痛などがあります。
乳房にできる良性腫瘍には、線維腺腫・乳管内乳頭腫・葉状腫瘍などがあります。線維腺腫は、妊娠可能年齢の女性によく起こる良性腫瘤です。乳がんと同じく、触診などで発見されますが、圧痛もなく、悪性化しません。しかし、良性であっても手術によって除去するのが一般的となっています。この点が、乳がんととてもよく似ています。除去することによって、顕微鏡検査などが行われ、はっきりとがん性がないことが判断できます。乳管内乳頭腫は、乳管の中にできる小さな良性腫瘍のことです。乳がんと同じように、乳首から分泌物が出ることがあるので、乳がんと間違えられることがあります。分泌物の顕微鏡検査やマンモグラフィーによって、乳がんではないことが確認できます。