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肝機能障害肝機能障害が現れる前に肝機能障害とは肝機能障害とは、具体的にどういったものなのでしょうか。簡単にいうと、肝機能障害とは、肝臓の機能が障害を受けて正常に働かなくなった状態をいいます。肝臓は生命維持に欠かせない役割の多くを担っている臓器なだけに、肝機能が低下すると、さまざまな病気を起こしかねません。そのまま放置しておくと、急性肝炎から慢性肝炎、さらには肝硬変、肝臓癌へと進行する可能性があるため、症状が軽くても軽視できないのが肝機能障害です。 軽度の肝機能障害には目立った症状が見られません。ある程度進行してくると、食欲不振や吐き気、全身倦怠感、肝腫大、黄疸、腹水などの症状が現れるようになります。 肝機能障害の原因肝臓病の主な原因としては、肝炎ウイルス、アルコールの過剰摂取、免疫・代謝異常などが挙げられます。慢性肝炎の場合は、肝炎ウイルスの持続感染によるウイルス性肝炎と、長期過剰飲酒によるアルコール性肝炎がほとんどです。どちらも進行性疾患で、進行すると肝硬変になります。肝硬変とは肝臓が硬くなってしまった状態のことで、肝炎などが原因で長期的に細胞の破壊と再生を繰り返した結果、引き起こされる病気です。いったん肝硬変になると完治することはなく、そのまま進行すると、高い確率で肝臓癌を発症します。 肝機能障害はその症状の軽さとは裏腹に、大変な危険因子を持っているため、年に一度は肝臓の検査を受けたいものです。そして、もし肝臓に異常が認められた場合には、専門医の指示のもと、適切な治療を早めに受けることが大切です。 沈黙の臓器、肝臓 肝臓は、横隔膜の真下より少し右側に位置する、体内で最大の臓器。重さは、およそ体重の50分の1(約1000〜1300g)あります。1個の肝臓には約2500億個の肝細胞があり、糖やタンパク質・脂質の合成と貯蔵、老廃物の処理、胆汁の生成と分泌、循環血液量の調節など、生命活動を維持していく上でとても重要な役割の多くを担っています。 肝臓は優れた再生力も持ち合わせており、一部の細胞が障害によって機能を果たせなくなったとしても、他の細胞がそれを補おうとする独自の働きがあります。このため、肝機能障害が軽度の場合には、特に自覚できるような症状が出ない場合が多く、そのまま放置されている間に肝機能障害が進行してしまうケースも少なくありません。肝臓が「沈黙の臓器」とよばれるのは、このためです。黄疸や腹水など、明らかな病状が出始めたときには、肝機能障害がそうとう進行していると考えられます。 肝機能障害「急性肝炎」肝機能障害「急性肝炎」とは急性肝炎とは、肝炎ウイルスに代表されるウイルスや、薬剤、アルコールなどが原因で起こる、急性の肝機能障害のことです。この中で日本人に多いのは急性ウイルス性肝炎で、肝臓病の約80%がウイルスによって引き起こされているといわれています。 肝炎ウイルスにはA型、B型、C型、D型、E型、G型、TTV型肝炎ウイルスなどがあり、感染経路や症状とその治療法は、それぞれによって異なります。主な急性ウイルス性肝炎の感染経路を見てみましょう。
このように、同じ急性肝炎でも、その感染経路はさまざまです。 肝機能障害「急性肝炎」の症状肝機能障害を起こす急性肝炎。いずれの急性肝炎の場合でも、初期症状は発熱や全身倦怠感、脱力感、食欲不振などで始まるのが特長です。このため、風邪や胃腸障害と間違われやすく、知らない間に肝炎が悪化してしまうこともあります。多くの場合は3〜6ヶ月で完治しますが、C型肝炎のように慢性化(慢性肝炎)し、肝硬変や肝臓癌にまで進行してしまう肝機能障害もあります。 参考図書:
肝臓病を治す食事と献立―よくわかる肝臓病の最新知識と毎日の食事メニュー 食べて治すシリーズ 池田書店 / 田中 武 (著), 吉田 美津子 (著) 肝臓病を治療する上で大切な食事療法を、わかりやすく解説しています。写真も豊富で、見た目にもおいしいレシピがいっぱいです。 肝機能障害「慢性肝炎」肝機能障害の1つである慢性肝炎とは、肝機能障害が一時的に起こる急性肝炎に対し、長期にわたって持続的に肝炎が続く肝機能障害のことをいいます。診断の確定には組織診断が必要ですが、一般的には半年以上治癒しない肝炎を慢性肝炎と呼びます。慢性肝炎の主な原因としては、肝炎ウイルスによるものや、自己免疫の低下が挙げられます。 肝機能障害「慢性肝炎」の症状肝機能障害の1つである慢性肝炎は、急性肝炎と違って肝機能が急激に悪化することがありません。全身倦怠感、食欲不振、肝腫大などがみられるケースもありますが、自覚症状が出ないことが多く、健康診断ではじめて気付く人もあります。中には気付かないまま5〜30年という期間が過ぎ、肝硬変や肝癌に進行してしまう場合もあります。特に慢性のB型肝炎、C型肝炎は肝硬変や肝癌への移行率が極めて高いので、症状がなくても治療が必要な肝機能障害です。 肝臓の状態は良くなったり悪くなったりを繰り返すため、肝機能の数値が下がったからといって、安心はできません。原因も違えば治療法も違う肝炎。肝炎にかかっているとわかったら、迷わず専門医に相談し、適切な治療を受けることが、肝機能障害の病状を悪化させないポイントです。 参考図書:
C型肝炎といわれた人へ 改訂版 小学館文庫 藤岡 高弘 (著) C型慢性肝炎の基礎知識が解説された良書。Q&A形式で初心者にもたいへんわかりやすく、参考になります。 肝機能障害「肝硬変」肝硬変とは、肝炎が進行しきった肝機能障害のことをいいます。長期的に炎症を起こし続けた肝臓の組織が硬く繊維化してしまう疾患で、主な原因としては、過度のアルコール摂取、自己免疫の低下、肝炎ウイルス感染などがあげられます。中でもC型肝炎は、日本における肝硬変の原因の約65%を占めています。 肝硬変が進行すると、最終的には肝不全(肝臓の機能の悪化)や消化管出血(主に食道静脈瘤破裂)、肝臓ガンに移行し、ほとんどの場合で死亡に至るという、とても恐ろしい病気です。現在のところ、決定的な治療法がないため、肝硬変から肝臓癌への移行を遅らせたり合併症をコントロールすることが、肝硬変の主な治療法といえます。 肝機能障害「肝硬変」の症状初期の肝硬変では、慢性肝炎と同じく目立った症状がありません。それは、肝臓の一部に肝機能障害が起こっても、残りの部分がそれをカバーする機能を肝臓が持ち合わせているからです。ところが、その機能にも限界があり、肝硬変が進行するにともなって、さまざまな症状が現れます。腹部膨満感やむかつき、吐き気、食欲減退などが主な症状です。さらに進行すると、血便や吐血、黄疸の症状が見られる場合もあります。 参考図書:
肝臓病の治し方がわかる本―450年の実績が示す 肝機能障害からC型肝炎まで(かんき出版)山ノ内 慎一 (著) 西洋医学と漢方薬による肝臓病の治療と予防を説いた一冊。 肝機能障害「肝臓癌」肝機能障害の最終段階である肝臓癌は、日本人男性の癌発症順位で見ると、胃癌、肺癌についで、3番目に多い癌で、肝臓癌による死亡率も年々増加傾向にあります。多くの場合は肝機能障害である肝硬変が進行して発症しますが(原発性肝臓癌)、他の臓器からの転移癌としての発症率が高いのも肝臓癌(転移性肝臓癌)で、すべての癌の転移先の約50%が肝臓だと言われているほどです。これは、肝臓が体内の毒物を分解したり、さまざまな代謝機能を担っていることに起因します。 肝機能障害「肝臓癌」の症状肝機能障害の最終段階である肝臓癌の症状は、食欲不振、全身倦怠感、腹部膨満感など、慢性肝炎や肝硬変に共通するものがあります。「沈黙の臓器」とよばれるだけあって、肝臓癌になっても、初期には目立った症状が出ないのです。肝臓癌特有の症状である突然の腹痛や貧血症状は、肝臓癌が破裂、出血した時に起こるもので、これらの肝機能障害が現れた時には、肝臓癌はかなり進行した状態であると考えられます。 参考図書:
肝臓病これで安心―肝炎、脂肪肝から肝がんまで、最新の治療と食事 ホーム・メディカ安心ガイド (小学館)鵜沼 直雄 (著) 現役医師が、肝臓の機能から肝臓病、治療法や俗説について解説しています。 |